逆ハーレムに巻き込まれました。
『3つ目の可能性はね、魔獣を使ってセリナ姉さんを監視するって手段なんだ』
『使う?ってことは、あの凶暴な魔獣を従わせるってこと!?言葉も通じないのにどうやって!』
『僕も詳しくは知らないよ。……まぁできるといっても、
魔獣科の中でもトップクラスの人しかできない芸当なんだけどね』
『確かに魔獣は、潜伏技術に特化してる種もあるしな。偵察や奇襲に利用しようと考えるのも当たり前か』
……その会話のあと、私とクリュウは職員室へと向かった。
クリュウが捕獲した5匹の魔獣について聞くためだ。
そして、得られた情報は……。
「……この魔獣全部、サクヤ先輩が使役しているそうですね。学園内の警備という目的で」
「…………」
「けれど――クリュウが気付いてくれました。この魔獣たち、私の監視だけじゃなくリタさんまで監視していたらしいですね」
「一体、どういう事ですか?」
顔を微かに俯けたまま無言を貫くサクヤ先輩に、一歩詰め寄る。
すると。
「………っ」
ピクリ、と小さく肩を震わせた。