逆ハーレムに巻き込まれました。
しかし……あれだね。
美少年が桃色の目をキラキラさせながらこっちへ手を振る様子は、見ていて和むよね!まるで忠実な子犬のようだよ!
……いかん、妄想したら耳と尻尾の幻覚が見えてきた。
「セリナちゃん、構築科なのにちゃんと走ったりするんだね!えらーい!」
「そういうユウリ君だって、後方支援が専門の魔法使い育成科でしょ?おあいこだよ」
変な妄想をしていた事に気づかれないように笑顔で話していると、不意にユウリ君があれ?と首を傾げた。
「ねぇ、クリュウ君は?いつも一緒にいるよね」
「ん?あぁ、クリュウはクエストに行ったよ。ギルドの方から呼び出されたらしくって」
「へぇー!……そういえばさ、クリュウ君の正体って何?契約してるってことは、人間じゃないんだよね?」
「あー……うん」
私は曖昧に頷くと、興味津々な瞳からそっと目を逸らした。