逆ハーレムに巻き込まれました。




今回作るのは簡単な煮込み料理だ。これならあまり手間もかからないし、何より簡単に覚えられる。はず。


ものの数分で完成したそれを器に移し、二人に手渡す。


彼らは疑わしげな顔をしながらそれに口をつけ、……そして叫んだ。



「何これ、うまっ!」


「あれだけの食材でこんな風になるのかよ!?」



言うなり、ガツガツと器を空けていく二人。みるみるうちに減っていく料理を見て、私は密かにガッツポーズをした。


……その笑顔に免じて、調理中ずっと不安げな顔をしていた事は水に流してやろう。


食べ終わったら、次は二人の番。後ろから私にダメ出しを食らいつつも、二人は真剣に料理に取り組んでいく。


――どうやら、二人は頭で理解して覚えるタイプではなく、身体で直接覚えるタイプだったらしい。


手本を見せながらアドバイスをしていくと、ぎこちないながらも驚くべき速さで料理を覚えていった。


そうして、あっという間に一日が過ぎ……




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