逆ハーレムに巻き込まれました。
「先日は失礼しました。セリナさんがあの時対処してくださらなかったら、今頃どうなっていた事か……」
「いえ、これも仕事ですからね。私もサクヤ先輩が普通に戻ったようで嬉しいです」
私は答えながら、注文を取りに来た店員さんにパフェを二つ頼む。
そして。
「……で。スルーしてましたけど、リョウ先輩は何をそんなに怯えているので?」
「ゲフッ!」
聞きたくてウズウズしていた事を質問してみると、リョウ先輩が思いっきり噎せた。ちょ、大丈夫か。
リタに背中をさすられながらしばらく咳をしていたリョウ先輩は、やがてそれが収まると涙目で睨みつけてきた。
「し、仕方ないだろう!俺が甘い物好きだってバレたら、余計に俺を馬鹿にするヤツが出てくるんだから!」
「……そうですねぇ。特にリョウの場合、外見は小学生の頃から成長していませんしねぇ」
「サクヤてめぇ……!」
「ふふっ、そんなに気にする事ないと思うんですけどねー」
「リタ、お前もか……!」
殺気立つリョウ先輩を、笑顔で挑発するリタとサクヤ先輩。すごい。
……でもまぁ、この機会を逃す私でもないワケで。