逆ハーレムに巻き込まれました。




「……生徒会長が遅刻というのは、些か恰好悪いですねぇ」


「あぁ、宿題……終わったな」


「あーあ、リタに忘れ物を借りようと思ったのに……」


「……いやいや、なに悠長なこと言って現実逃避してるんですか!?」



呑気にそんな事を言うサクヤ先輩、ヒース、シェイドの3人に思わずツッコんでいると、不意に左手をキュッと握られた。


驚いてそちらへ視線を向ければ、そこには悪戯っぽく笑うリタ。


そして……



「よーい、……スタート!」


『うぉぉぉおおおおおおっ!!』



リタの号令のもと、全員で一斉に走りだした。


――こんな時、やっぱりリタはみんなの『中心』なんだなぁと思う。


掛け声一つで、くせ者揃いの逆ハーレムを動かす。


それってきっと、リタにしかできないと思うから。




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