ハダカの初恋
「お前のために散歩してやってんだろーが」
「へ?」
「あんなデカいハンバーガー食ったんだから、歩かなきゃデブになるだろ」
「……それはそれは、どういたしまして!」
パンチしようとしたけど、またしても避けられる。
いつも通りの意地悪な晴人。
それが悔しいような、ホッとするような、自分でも自分の感情がよくわからない。
波の音とカモメの声が聞こえる海沿いの道を、晴人はポケットに両手を突っ込んで歩き、あたしはその2メートル後ろを歩いた。
「痛っ」
ふいに漏れたあたしの声に、晴人が足を止めた。