ハダカの初恋
オヤジ時代の代名詞とも言える牛乳。
大好物だったけど……もう長いこと飲んでない。
おいしいって認めたら、またオヤジに戻っちゃいそうで――。
「いーから飲め」
晴人が躊躇するあたしの顔の前に牛乳を持ってきた。
いつのまにかストローもちゃんと刺さってる。
隣から、うながずような晴人の強い視線。
……何よ。何なのよ。
あんなにあたしのこと、オヤジってからかってたくせに。
どうして、あたしの一番好きなものを持ってくるのよ。