ハルと見た青空



遅刻だ遅刻だ、と言いながら血相変えて私は今日入学する高校に向かっていた。


起こしてくれなかった母親をちょっと恨む。

身なりやなんでもちゃんとしてきたし、ひとまずよかった。


「あー・・もう誰もいないぃぃーー」

通学路に誰もいないことに涙目になる。

それもこれも夜遅くまで起きていた自分が悪いのだけど・・。


すると、少し前を同じ学校の制服を着た男の人が立っていた。

ただ、のんきに歩いている。


この人、遅刻しちゃうのになんで歩いてっ・・!!


通り過ぎようとしたけど、なんだか気になって私はその人に声をかけた。

「あのっ!遅刻しちゃいますよ!?」


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