ハルと見た青空
キョトン、とした顔で食パンを咥えてこちらを黙って見ていた。

私も、え?となってしまう。

変なこと言ったっけ?


「ふふっ。なんで急ぐんだよ、もう走ったって意味ないだろ?余計な体力使わず、ゆっくり行こうぜゆっくり!」


腕時計を見てみると、確かにもう完全遅刻だ。

私は思わずうなだれて、「うん・・」とつぶやいた。



「ねぇねぇ、君名前なんてゆーの?」


後ろで腕を組みながら、チャラそうに見える印象の彼が聞いてきた。

「あー・・松月です。」


ちゃらい人には関わりたくないな。

「いやいや、下の名前だよっ!」


「・・・・・・聞く必要あるんですか・・?」

「そりゃもちろん!これから一緒に机並べて学ぶ同級生だし!」


あ、同じ学年なんだ・・。

背も高いし、大人っぽいから年上かと思った。

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