闇夜に烏雪に鷺
彼のガレージについて、ベッドに座る。
ソファーもテレビもテーブルも冷蔵庫もある。彼の生活の場。
隣に座った彼が胡座をかく。
そっちにすり寄って、徐に唇を重ねた。
私からしたはずなのに、唇を割って入ってくるのは彼の舌。
「…もう帰ってこないと思ってた」
彼の声が降ってくる。
ベッドに背をつけているのは私。
「私が?」
「ああ」
「そんなに信用ないですかね?」
ふざけ半分に返す。
彼の、烏の眼は吸い込まれてしまうかと思う程の漆黒。
頬に伸ばした手が掴まれた。