闇夜に烏雪に鷺
私がこの街で迷っていた時、助けてくれたのは彼だった。
それも、全部、後悔?
「お前の白は、危うい」
私の輪郭を捕らえる手。
前に、妹に言われたことを思い出す。
「炎は温度が低いと赤、高くなるにつれて青白くなっていく」
じゃあ、私の白は高すぎる温度の白。
白は、黒の中でしか生きていけない。
「じゃあ危なくなったら、殺して」
彼殺されるのなら本望。
再度重なる唇は、冷たくて、お互い、少しだけ震えてた。
何が烏だ。
何が鷺だ。
私達は、こんなにも臆病。