闇夜に烏雪に鷺
外で族が走る音がする。
うるさいマフラー音と喧騒。
その内の誰かが、スリップして転倒してしまうだろう。
「ちょっと試した」
「ん?」
「でも、それ以上のモノが返ってきたからちょっと困ってる」
耳の後ろに唇が当たる。
「殺せるわけねえだろ。俺とお前でひとつなんだから」
臆病なくせに、強がりで。
「じゃあ、私の復讐計画聞いてくれる?」
聞くと、きょとんとした顔が緩む。
お前には勝てない、なんて嬉しい言葉も零して。