闇夜に烏雪に鷺
「新街の野郎と違って、俺は数えられるけど、読み書きが出来ない」
「うん」
馬鹿で。
「手紙とかも送れない」
「お世辞ばっかり送られるのより、そっちの方が良いですよー」
それでも、畏れられて。
「明日の朝、風呂でその計画聞く」
先程まで不安げだった表情が消えて、彼は耳にキスを落としてきた。
明日は長風呂になる予定らしい。
それから彼は有無を言わせず私を貪って、予定通り気付いたら朝。
空気の悪いこの街の朝は薄暗いままだけれど、それが丁度良い。
烏と鷺には、丁度良い。