先生の家政婦
あの春
桜はもうすでに散っていた。
国山(くにやま)高校の入学式。
あたしがこの学校を選んだ理由は2つ。
制服が可愛い。
それと、雰囲気が良かったからだ。
あと1つ付け足すなら、通いやすいってことぐらい。
『それでは新入生は退場してください。』
司会の人の1言で1組から退場していく。
校長先生のあいさつなんて耳に入らなかった。
入れる気もないけどね。
「ねぇ?」
「・・・?」
隣の子から話しかけられて振り向いた。
ベリーショートの可愛らしい女の子。
「私、成井千夏(なるいちか)っていうの♪よろしくね!」
「あ、うん。あたしは島田麗奈(しまだれな)1年間よろしくね!」