もしも私が―。
(眠い)
急に眠気が襲って来て、気がついたら、またあの夢の中にいた。
光が見える。
私は、いつも以上に手を強く握りしめて、深呼吸をして、光の中へと、入って行った。
すると、いきなり視界が開けた。
そこには、やっぱり化物がいた。
その前には男の子が怯えて地べたに座り込んでいた。
「あれ?あれって、同じクラスの中橋くん!何で、中橋くんが!?」
でも、中橋くんまだ死んでない……私は手に力を込めて
(多分、助かる!ううん!助けてみせる!)
そう自分を奮い立たせた! そして
「やっやい!化物!」
少し声が震えて、立ってられないほど怖かったけど。
「あんたなんて、こっ怖くな、ないんだからねえ!」
大声で叫んでみた。
そしたら化物は、こっちをふり向いて、私を睨みつけた。
「うっ」
私はちょっとビクついて、後ろへ下がってしまった。
それでも負けずに
「なっなによ!?」
怒鳴った。
化物は何も言わずに、中橋くんの方を向いて
そのままその鋭い爪を中橋くんめがけて、振り下ろした。
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ふと目が覚めた。
そして気がついた!
「中橋くんはどうなったの!?」
即座にテレビをつける。すると、キャスターが
「それは、本当なんですね?」
と一人の男の子に聞いていた。記者会見のようで、男の子が震えていた。
(関係無さそうだから、チャンネル変えようかな)
とリモコンを取った時だった。
「はい。僕、見ました。大きい化物がいて、僕に、僕に襲いかかって来たんです!」
「え?」
化け物? その時、男の子が顔を上げた。
「中橋くん!」
そう、それは確かに中橋くんだった!
「生きてたんだ」
私は、ホッとため息をついた。
私は助けることが出来たんだ!
でも、どうやって助けたんだろう?
……まあ、良いか。とにかく中橋くんは助けられたんだから。
でも、この油断がいけなかった。
どうにかなるだろうという、油断をしては、いけなかったのだ……。