もしも私が―。
光のトンネルをくぐり抜ける。
眩しさに首を傾け、目を細めて、そのまま視線を前へ向ける。
そこに大きな影が、誰かを持ち上げていた。
私は一瞬状況が呑みこめなかった。
「え?……友未?……友未!」
そう友未が、乗り物から降ろされて、お化けがいる岩場に首を絞められて持ち上げられていた!
「大丈夫、大丈夫だよ!圭子!だって前だって、中橋くんの時だって、助けられたんだもん!」
そう自分に言い聞かせ、化物を睨みながら、化物の方へ走った!
「ちょっと!友未を放しなさいよ!」
そう言っても、化物は見向きもしない
「放せ!放せよ!友未を放せ!」
叩いても、叩いても、ビクともしない。まるで、空気を叩いてるみたいだった。
その時!
「あっ……圭」
友未が口を開いた。
でも、次の瞬間、私の目の前で――友未の血しぶきが上がった。