LOVERS STORIES
「お、おかえりなさい」
あたしは精一杯の笑顔で彼を迎える。
「ただいま。悪いな、遅くなって」
「ううん。平気!仕事なんだから仕方ないって」
慎也は優しい目であたしを見ると、大きな手で頭を撫でてくれた。
うぅ……。
ヤバイ。
カッコいいよぉ~~!!
「着替えてくるわ。汐莉、飯まだ食ってないのか?」
「うん。これからだから、用意してくるね!」
あたしは慎也に背中を向け、キッチンに向かう。
「汐莉」
ふいに名前を呼ばれ、あたしは足を止める。
「ん?どうし……っ」
言葉を遮られて、彼に優しく抱き締められる。
「慎、也…?」
「ずっとこうしたかった」
耳元で囁かれる、低くて甘い声。
もう何度もこうされてるのに、やっぱり胸がドキドキとうるさい。
「ん……あたし、も」
あたしは彼の背中にしがみつく。