LOVERS STORIES
「悪い。しばらく、こうさせてくれ……」
「ん……」
慎也は更にあたしを抱き寄せると、一ミリの隙もないくらい体が密着した。
彼の大きな胸に耳を澄ませると、トクントクンと心音が聞こえる。
この音を聞いているだけで、心が凄く落ち着く……。
「汐莉……」
慎也はあたしの髪を優しく撫でて、うなじにそっと指を這わせた。
「んっ……」
彼の長くて細い指の感触に、すぐに感じてしまう。