同期が急に変わったら…。
うっすら覚醒する意識の中。





微かに聞こえてくる物音。





あ〜、将生起きたのかな?






『将生〜?起きたの〜?』





寝室に向かってくる足音。




『いずみ、おはよ。

お前、寝相悪すぎ。寝れねぇ。』


『は?嘘でしょ?

言われた事ないよ。』


『誰に?』


『歴代彼氏?』


『お前、何年前の話してんだよ。』


『……。二度と泊めない。』


『ハハハッ。

嘘だよ。よく寝たよ。

早く起きろよ。』


『将生〜。あんたねぇ…』


『はいはい。コーヒー淹れたから。』







マジで二度と泊めてやんない。








う〜ん、美味し〜い。

朝、誰かに淹れてもらったコーヒー。

寝起きに、

たまんないわ。






『ありがと。美味しい。』

『おう。』





将生は、タバコを吸いながら、

新聞に目を通している。

こうして見れば、

本当にいい男なんだよね。





『お前、見過ぎ。』




新聞から、私に視線を移し

ニヤリと笑う将生。




『バレたか。』


『ククッ。』


『自覚してんの?イケメンって。』


『あ?いい男だろ?』


『アハハっ。

将生が言ったら否めないわ。』


『いずみもいい女だけどな。』





なんですって?

何を言い出すのよ?

ふざけやがって。




『は?』


『自覚ねぇの?』


『あるわけないでしょ?

ねえ、それ嫌み?』




将生は無表情で首を横に振る。



『いや?』


『絶対嫌みだ。将生、ムカつく。』


『嫌みじゃない。』


『はいはい。』


『……。』




朝から、からかわれた。

なんてヤツだ。






若干、イラっとしながら

空いたマグカップを

キッチンへ持って行って、

パパっと洗った。







< 13 / 52 >

この作品をシェア

pagetop