同期が急に変わったら…。
『なあ、いずみ。
明日、夕飯作ってよ。
俺、いずみんちに帰るわ。』




なんでだ?

予想外すぎて、つっこめない。





『えー、やだよ。』

『ハヤシライスでいいから。』




ハヤシライスねぇ。

簡単だから、いいけどさあ。

ハヤシライスか。

作ってやるか。




『このお礼は高くつくよ?』

『ふっ。いいよ。
いずみの飯が食えるなら、な。』

『私、
料理上手くないの知ってるでしょ?』

『そうか?そんな事ねーけど?』




うっそだー。

だって、得意じゃないし。






『いいよもう。
ハヤシライスね。
作ればいいんでしょ?』


『ああ。
まあ、飯だけが目的じゃねーけど。』


『は?』


『早くいずみに会いてぇんだよ。』





出た出た。

もう驚かない。

たまには、逆に攻めてやるか。

ちょっと軽くジャブを

打ち込んでみる。




『ねえ、将生。
なんかさあ、
将生がいないと、寂しいね。
妙に会いたくなっちゃった。
明日、
ハヤシライス作って待ってる。』



ふふん。

将生め、参ったか?

ジャブ、効いたでしょ?




『………。』




えっー。

黙っちゃうわけ?

オイオイ、冗談だよ?

ちょっとぉ〜。




急に恥ずかしくなってきた。

はっ、恥ずかしすぎる!





『だっ、黙らないでよ?
冗談よ、冗談。
将生の真似して虐めてみたのよ。』


『………。
俺は、冗談じゃないけど?』





あちゃ〜。

そうきたか。





でも、声が真面目な気がするんだけど。

将生も冗談だよね?

そんな、低い声で言わないでよ。





『えっ?あははっ。もういいって!』


『……。いずみ、お前なあ。
そういうのは、本気で言え。

まあ、いいよ。
明日そのまま、いずみんちに泊まる。』




はあ?

どういう話の流れ?

どっから、そーなんの?





『また泊まるの?なんでよ。』

『いずみと居たいから。
前にも言っただろ?』



聞きましたけど?

だから?





『はあ、そうですか。
お好きにどうぞ。』

『どうも。』




また泊まるんかい。

将生、もしかして私を好きなの?

まっさか〜。ね?

うん……ないない。

ない、よね?




『宿泊代取るからね。』


『は?
サービス何もないのに?』


『サービスなんかないですぅ。
寝れるだけ、いいと思いなさいよ。』


『ほんとに寝るだけ、だろーが。』




いやいや、

寝るだけじゃなかったでしょ?





『……抱きついたじゃん。』


『抱きしめて欲しいだろ?』




誰が?

なんで?

いつ?

どーして?

何時何分何秒?




『なっ、何言ってんのよ。
そんなわけないでしょ?』


『うそつけ。』


『将生、あんた殴るよ?』


『………。ふっ。』




なによー。

余裕で笑うなって。

ムカつくーーー!!!





『もう寝る。』

『さっき、寝てただろ?』

『そうだけど、寝る!
将生も寝て。』




将生だって、早く寝なさいよ。

どうせ、今まで仕事してたんでしょ?

しっかり睡眠とってよね。




『そうか。じゃあ、寝るか。』

『うん。おやすみ。』

『ああ、おやすみ。』

『うん。』

『明日な。』

『はいはい。』





明日、帰ってくるんだ。

ふうん。

ふうん。




仕事早めに切り上げよう。

買い出し行かないとさ。




………。

…………。





寝よ。



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