同期が急に変わったら…。
いつも通り、
将生が会計を済ませて
今日はタクシーでマンションまで
送ってくれる。
『将生、送ってくれてありがと。』
『おぅ。』
『今日もコーヒー飲んでく?』
『ああ。』
これもいつものコース。
将生は、私のマンションで
コーヒーを飲んで
ひと休みしていく。
将生は濃いめのブラック。
私は、ミルクも砂糖も入れて、
甘めのコーヒーが好き。
ポコポコとコーヒーメーカーの音。
将生用の
大きめの黒のマグカップ。
将生用って言っても、
たまたまペアで買った、
白黒のマグカップ。
私が白を使っているから、
将生は必然的に黒。
将生ごときに
お客様用の高級コーヒーカップは
使う気もない。
ダイニングテーブルに
向かい合って座る。
将生はタバコを吸いながら、
口を開く。
『いずみ、お前さあ。
企画行きたい?』
『企画?』
『ああ。企画課、行きたいか?』
『別に?』
『そうか。
お前が企画に行きたいなら、推すけど。
営業やりたいなら、…渡さない。』
将生?
なんの事言ってんの?
『ねえ、それって。』
『ああ。
企画がお前を欲しがってる。』
『ええっ?あたし?
いやいや、ないない。無理。』
『いいのか?出世だぞ。』
『うーん。そう言われると、
まあ、揺らぐけど。』
『……。』
『営業、好きなんだよね。』
『そうだな。合ってるよ、いずみに。』
『あらら〜。それはそれは。
将生、なんか気持ち悪いわ。』
『お前っ。地方とばすぞ。』
『あ〜、ごめん。
気持ちいいヤツですぅ。ハハっ。』
私が企画から声が掛かるとは、
夢にも思わなかった。
嬉しいけど、
営業の仕事が好きだし、
俊介の補佐だって、
意外にやりがいあるんだよね。
今は、まだ営業にいたい。
まだ、やってみたい。
それにしても、
将生、今日これが言いたかったんだ。
初めから言えっての。
言いにくかったのかな?
将生が会計を済ませて
今日はタクシーでマンションまで
送ってくれる。
『将生、送ってくれてありがと。』
『おぅ。』
『今日もコーヒー飲んでく?』
『ああ。』
これもいつものコース。
将生は、私のマンションで
コーヒーを飲んで
ひと休みしていく。
将生は濃いめのブラック。
私は、ミルクも砂糖も入れて、
甘めのコーヒーが好き。
ポコポコとコーヒーメーカーの音。
将生用の
大きめの黒のマグカップ。
将生用って言っても、
たまたまペアで買った、
白黒のマグカップ。
私が白を使っているから、
将生は必然的に黒。
将生ごときに
お客様用の高級コーヒーカップは
使う気もない。
ダイニングテーブルに
向かい合って座る。
将生はタバコを吸いながら、
口を開く。
『いずみ、お前さあ。
企画行きたい?』
『企画?』
『ああ。企画課、行きたいか?』
『別に?』
『そうか。
お前が企画に行きたいなら、推すけど。
営業やりたいなら、…渡さない。』
将生?
なんの事言ってんの?
『ねえ、それって。』
『ああ。
企画がお前を欲しがってる。』
『ええっ?あたし?
いやいや、ないない。無理。』
『いいのか?出世だぞ。』
『うーん。そう言われると、
まあ、揺らぐけど。』
『……。』
『営業、好きなんだよね。』
『そうだな。合ってるよ、いずみに。』
『あらら〜。それはそれは。
将生、なんか気持ち悪いわ。』
『お前っ。地方とばすぞ。』
『あ〜、ごめん。
気持ちいいヤツですぅ。ハハっ。』
私が企画から声が掛かるとは、
夢にも思わなかった。
嬉しいけど、
営業の仕事が好きだし、
俊介の補佐だって、
意外にやりがいあるんだよね。
今は、まだ営業にいたい。
まだ、やってみたい。
それにしても、
将生、今日これが言いたかったんだ。
初めから言えっての。
言いにくかったのかな?