俺がイイんだろ?
*第1章*

上京。


-ひかりside-


「はぁ…」


ため息混じりに出た吐息はすごく白くて…
何かが変わる、そんな気がした。


「私、何してんだろ…」


私が上京するには理由がある。
1つは、何かが変わる…つまらない日常を抜け出せる…そんな気がしたから。
そして、ある目的を果たすのと、夢を目指すため。
だから上京する。

その理由は、私が高校1年生の時までさかのぼる…







――

「ひかりー!」

「なにー?」


当時高校1年生になったばかりの私は、どんなことにも挑戦してみたかった。
そしてある日、中学から親友の美嘉に放送部に入らない?と誘われた。


「もちろんやるよ!」


私は即答。
なんでも挑戦したい気持ちもあったけど、美嘉がいるから頑張れる気がして入った。
…のはいんだけど。


「えぇー!?
美嘉放送部じゃないの!?」

「ゴメン!
アタシほら、バンドの練習があるからさ!」

「えー」


そう、私は美嘉に騙されちゃったわけで。
放送部には部員が少なくて、美嘉は先生になぜか放送部員を増やしてくれと頼まれたらしく…
っていうのはまぁいいや。

美嘉は中学の頃からバンドを組んでいる。
私はよく美嘉達が練習しているスタジオに足を運んでいた。
そしてある日…


「ひかり!
そういやさ、新しくメンバーが加わったんだよ!」

「ほんとに!?
ギターやっと見つかったんだぁ!」


美嘉のバンドは名前も決まってないけど、真剣に活動していた。
美嘉いわく、ギターだけがいいヤツ見つからないと言っていて、ずっと探してた。
それがやっと見つかったみたい。


「今日の練習、見に来れる?」

「もちろんだよ!」


即答して放課後、美嘉と一緒にスタジオへ向かった。

それが私の運命を変える出来事とは知らずに。


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