幼い頃の小さな約束
男はだらしなく顔を歪ませて、理沙を見る。
そんな顔で、理沙を見るな・・・!
そう思っても、あたしは何も出来ない。
いつもそうだった。
あたしは、弱虫なんだ。
誰かに助けてもらわなくちゃ、生きていけない赤ちゃんのように。
理沙は、男の腕を自分のほうに引き寄せると肩に乗せた。
そしていきおいよく腕を引っ張った。
そして宙に飛ぶ、最低な客。
理沙は強くて、優しい。あたしの憧れだ。
君が約束を忘れていても、君は無意識に約束を果たしている。
君はあたしの存在を示してくれる、太陽だ。