幼い頃の小さな約束
手のひらをぎゅっと
~理沙side~
目の前には、ゆきに最低なことをした男の姿。
床に倒れて、すごく情けない。
男のくせに、女のあたしにも勝てないのか。
あたしは男の鼻先の床を、ダンッと踏みつける。
男の体が、情けなく震えていた。
「次、気持ち悪いことを言ったら・・・。分かってるよね・・・?」
あたしは最高の笑顔を、客に向けた。
男は引きつったように笑って、逃げていった。
あたしはフンッと鼻を鳴らし、メイド服を手で直す。