幼い頃の小さな約束





そ、そんなに、嫌なことされたんだ!

逃がさなきゃ、良かった・・・!




あたしは、固く拳を握り締める。

どんなに強く握っても、全然足りなかった。




ゆきはきっと、こんな痛みよりも、もっと苦しかったんだろう。

あたしの胸が、きゅっと痛む。







あたしがもっと早く、ゆきの方を見ていれば・・・!

あたしがもっと、ゆきに気を配れていたら・・・!




こんなことには、ならなかった。








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