幼い頃の小さな約束
「理沙、そろそろ帰らないとお母さんにまた怒られるよ」
機嫌が少し回復した亮太は、あたしの肩を叩いた。
確かに、いつのまにか止まっていた足。これじゃあ、いつ帰れるか分かんないや。
「そうだね。ゆき、もう帰ろう!」
あたしはにっこりと笑うと、亮太の袖とゆきの袖を掴んで走り出した。
これは、良いトレーニングになるな!
てか、お母さんに怒られたこと、亮太に言ったっけ?
あたしは気づいていなかった。顔が赤い亮太のことも。
そして、小さかった時のことや写真のことも。