代償
「文ちゃん、何してるかな。破瓜されてなきゃいいね」
苺のパフェを頬張りながら、キャーラが言う。
「あ、確かに。何してるだろ。勇人の家にでも監禁されているんじゃないか」
「ベッドに入ってたら?」
………縁起でもない。

「上時総長」
「何だ」
「貞操帯でも付けとけば良かったんじゃないか」
「………ああ。そうだな」
貞操帯なぁ。
文香はきっと。

『嫌だ』
って言う。
目に見えてる。

さぁて。
勇人のところに転がったなら。
借金、取立てに行かなきゃな。
どう、取立てるか。

「………上城」
「何だ」
「借金、取立てるとか、言わないよな」
「取立てるに決まってる。まだまだ借金はあるからな」
「えげつない」
「拷問だよ、それは」
「借金背負うバカが悪い。何を言う」

前橋組の裏。
高利子での、闇金。
マスターとユートはそれに加担する。
キャーラは加担しない。
そりぁ。
警察だしな。

「程々にしろよ」
「俺は手加減しねぇよ。何につけても」
怯むな。
手加減は、一切無用。
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