代償


「………東」
「城時さん………」
仕事場で、東に声をかける。
「………どうしたんですか」
「悪かった。職場放棄して」
「………いや、そうじゃなくて」
「は?」
東が笑う。
………何だ。
気味悪い。
「城時さん、何か吹っ切れたみたいで。何かいいことありました?」
「………は?」
「だって、顔色いいから」
「はぁ」

いいこと………ねぇ。

文香か。
………。

本当………。
何なんだ。
あの女。
ガキなんて、相手にしないのに。
………成長するスピード、早くないか?

抱いても。
普通だった。
………いや。
普通じゃなかった。

「なぁに?ついにイったか?」
「………」
「枕でイったことのない城時さんが。誰ですか?相手は」
「高校生」
素直に、話していた。
「へぇー、高校生………」
………あ?

「高校生ーーーーー!!??」
「………悪いか」
「何で何で何でーーーーー!?」
相手は高校生の小娘。
ガキだと、侮ってた。
「城時さん………高校生相手に!?」
「………やられた」
まさか。
俺が。

………まだ、変な感じ。
「………まさか、恋人?」
「………一方的な、なら、ある」
「一方的!?」

東。
驚き過ぎだ。
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