代償
「っあー………つっかれたぁ………」
ソファーに寝転がる。
………上半身裸で。
………目のやり場が。

うわぁ………。
引き締まってる………。
抜糸されてない傷がある。
………ちょっと、カッコいい?
キャーラがいうように?
触りたい?
………少し思った。

「何?男の身体がそんなに珍しいか?」
………そりゃぁ、
「キョーミ、あるか?」
んな訳あるかぁ!!
………そのうち、
「あるなら、教えるぞ。数学同様」
ないから!!
数学同様って!!
………やめてよ。

「文香、お前彼氏いるのか」
いないよ。
ほしいとも思わないって。
「ははっだからだな。珍し気に見るのも無理はない」
バカにしないでよ!!
「ま、俺は女なんかキョーミないけどな」
………その顔で何を言う!?
モテるんでしょ!?
その顔で!!
「まぁ、キョーミあるなら教えてやるよ。保健体育………な」
やめてよぉーー!!

「じゃあ、数学やるか」
切り替えの早いこと。
起き上がってワイシャツを羽織る。
裸ワイシャツ………。
よくやるよ。

「………で、この式を逆にして、」
………教えるの、上手い。

………!
首に、赤い何かがある。
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