代償
「………食えれば何でもいい」
………毒が入っても、食べる?
なら、作るよ。
最期の晩餐的な。
美味しい料理、作るから。
美味しいって言って、死んで。
楽に逝かせる薬、何か入れるから。
血を吐いて、その真っ白な肌に赤化粧して。
「………お前、何か企んでるだろ」
うん。
企んでるよ。
毒殺を。
「………あぁ、毒でも入れる気か?」
………何で分かるの?
………そういう世界にいるから?
「………頼むから毒は入れるな。洗剤の味噌汁、食わせられたの聞いたろ」
………あ、そうだ。
キャーラとユートとマスターに聞いたんだ。
『上城は人間不信だからなぁ。扱いが大変なんだよ』
マスターが苦笑しながら言った。
人間不信。
こんな男が人間不信?
あり得ない。
残酷な男が?
「………あれほど、不味い飯はないな。洗剤入りの味噌汁なんか」
………。
………ねぇ。
上時。
私を信用してる?
私は信用してないよ。
私のご飯、安心して食べれる?
私に本当に、作らせる?
あんたが殺した家族の娘に。
復讐、されるよ?
「………文香」
………何。
「………俺は、ダメなんだろうな」
………は?
何言ってるの?
人殺しのあんたが。
膝枕なんか、したくないのに。
今すぐ降りて。
汚い。
穢らわしい。
………毒が入っても、食べる?
なら、作るよ。
最期の晩餐的な。
美味しい料理、作るから。
美味しいって言って、死んで。
楽に逝かせる薬、何か入れるから。
血を吐いて、その真っ白な肌に赤化粧して。
「………お前、何か企んでるだろ」
うん。
企んでるよ。
毒殺を。
「………あぁ、毒でも入れる気か?」
………何で分かるの?
………そういう世界にいるから?
「………頼むから毒は入れるな。洗剤の味噌汁、食わせられたの聞いたろ」
………あ、そうだ。
キャーラとユートとマスターに聞いたんだ。
『上城は人間不信だからなぁ。扱いが大変なんだよ』
マスターが苦笑しながら言った。
人間不信。
こんな男が人間不信?
あり得ない。
残酷な男が?
「………あれほど、不味い飯はないな。洗剤入りの味噌汁なんか」
………。
………ねぇ。
上時。
私を信用してる?
私は信用してないよ。
私のご飯、安心して食べれる?
私に本当に、作らせる?
あんたが殺した家族の娘に。
復讐、されるよ?
「………文香」
………何。
「………俺は、ダメなんだろうな」
………は?
何言ってるの?
人殺しのあんたが。
膝枕なんか、したくないのに。
今すぐ降りて。
汚い。
穢らわしい。