代償
「おー、いい日本食だな」
ご飯と味噌汁と筑前煮だよ。
鮭もあるよ。
コンロに入ってるよ。
あなた、ご飯にします?
それともお風呂?
それとも………私?
なーんて、ベタな恋愛小説みたいなことはしないよ。
何、『私?』って。
「風呂、沸かしてるか」
うん。
「………って、風呂入ったら冷めるか」
………温かいのが、いいのね。
「じゃぁ、食う」
そうですか。
なら、ご飯、盛るからねー。
「文香は食わないのか」
え?
「俺、こんな食わないぞ」
テーブルに置いたお皿には、たくさんの筑前煮。
量、間違えた?
「食えよ。悪くなっちゃ、もったいない」
………はぁい。
お茶碗にご飯を盛って、上時の向かいに座る。
変な誤解しないでね。
好きで向かいに座るわけじゃないから。
座席がそこしかないから。
「いただきます」
………言ってる!!
この前橋組の総長!!
礼儀正しいんだ!!
………流石、天下の前橋組。
「………あ」
不味いって言ったら、洗剤混ぜるよ。
お世辞でも、美味しいって言ってよ。
「旨い」
表情変えずに言う。
………へえ。
「お前、嘘だと思っているだろ。俺は不味いものは食わないぞ。お世辞抜きで旨いよ」
………はぁ。
不味いものは食わないぞって。
味覚が狂ってるあんたが言うか。
「お前、いい嫁になれるぞ。どこに嫁がせても恥ずかしくない」
………どっかのお母さんみたいな、
「俺がめとるか」
………はい?
………めとる?
………あんたに嫁げと?
嫌だよ。
「嘘嘘。冗談だ。20も年下のガキ、めとるほど暇な男じゃない」
………は!?
上時、36歳なの!?
やっぱり!?
………36には見えないって!!
お世辞抜きで!!
へぇー!!
ご飯と味噌汁と筑前煮だよ。
鮭もあるよ。
コンロに入ってるよ。
あなた、ご飯にします?
それともお風呂?
それとも………私?
なーんて、ベタな恋愛小説みたいなことはしないよ。
何、『私?』って。
「風呂、沸かしてるか」
うん。
「………って、風呂入ったら冷めるか」
………温かいのが、いいのね。
「じゃぁ、食う」
そうですか。
なら、ご飯、盛るからねー。
「文香は食わないのか」
え?
「俺、こんな食わないぞ」
テーブルに置いたお皿には、たくさんの筑前煮。
量、間違えた?
「食えよ。悪くなっちゃ、もったいない」
………はぁい。
お茶碗にご飯を盛って、上時の向かいに座る。
変な誤解しないでね。
好きで向かいに座るわけじゃないから。
座席がそこしかないから。
「いただきます」
………言ってる!!
この前橋組の総長!!
礼儀正しいんだ!!
………流石、天下の前橋組。
「………あ」
不味いって言ったら、洗剤混ぜるよ。
お世辞でも、美味しいって言ってよ。
「旨い」
表情変えずに言う。
………へえ。
「お前、嘘だと思っているだろ。俺は不味いものは食わないぞ。お世辞抜きで旨いよ」
………はぁ。
不味いものは食わないぞって。
味覚が狂ってるあんたが言うか。
「お前、いい嫁になれるぞ。どこに嫁がせても恥ずかしくない」
………どっかのお母さんみたいな、
「俺がめとるか」
………はい?
………めとる?
………あんたに嫁げと?
嫌だよ。
「嘘嘘。冗談だ。20も年下のガキ、めとるほど暇な男じゃない」
………は!?
上時、36歳なの!?
やっぱり!?
………36には見えないって!!
お世辞抜きで!!
へぇー!!