代償
「あー、楽しかったぁ!」
蓮華ちゃんが言う。
私も楽しかった!
色々ありがとう!
色々知ったし!
氷北組と前橋組についても。
「蓮華、良かったね」
氷族長が蓮華ちゃんの頭を撫でる。
「文香ちゃん、ありがとうね。またいらっしゃい」
「またすぐに手紙、書くくせに」
「上時総長~………だって、前橋組の兄さんたちに会いたいから~」
「氷北組はどこまで弟組なんだ」
「「「一生、ついていきます!!」」」

わーお。
前橋組のお見送りで、氷北組が全員店の外に出る。
パワフルだね。
「みんな、上時総長が大好きだからね」
「上城、随分と人気だな」
マスターとキャーラが上時を見てニヤニヤする。
「老若男女問わずねー」
氷族長たちも。
「………気持ちわりぃ。ニヤニヤすんな」
呆れたように、上時は見る。

「次の会合は来月だ。下時組を潰しにいく。また懲りもせず、暴れだしたからな」
「いつもンとこ?」
「そうだな。ま、絶対に負けないように、暴れてろ」
「はーい。了解、上時総長♪」
「夜間バイク、下時組の連中がしだしてる。安眠妨害だから、次やったら容赦なくヤれ」

………何の話!?
「上時総長♪」
氷族長が上時を見てニヤニヤする。
「文香ちゃんを大切にね」
「ああ。分かってる」
………何ソレ!!
氷族長、私のお母さん!?
娘を嫁に出すような………。
「蓮華、氷を何とかしろ。鬱陶しい」
「はい。中華鍋で殴っておきます」
「よろしく」
蓮華ちゃん!
中華鍋て………。


この暴走族、大丈夫!?
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