代償
………ああ。
暖かいなぁ。
「柔らかいな………肌」
………変態!
何ソレ!
ときたまの変態発言!
やめてよぉ!!
「………抱きたい」
前も聞いたよ。
嫌だよ。
「………なんてな」
起き上がる上時。
重さがなくなる。
暖かさもなくなる。
………何かね、虚しい。
「飯、どうする」
あ、作ってない。
時間は7時。
そろそろ、出かけなきゃ。
遅刻する。
もう。

「文香、着替えてこい。何か作っとく」
………はい?
え?
上時が作るの?
へえ。
頷き、部屋に走る。
身体の節々が少し痛い。
同じ姿勢しか出来なかったから。
上時が、覆い被さってたから。

………わーお。
「野菜炒め、適当に漁ったから」
冷蔵庫ね。
野菜炒めて。
塩味だね。
シンプルで美味しい!
料理出来るんだ!
凄い。
何でも出来るんだ。
………流石、総長。
素晴らしいよ。

キャーラが迎えに来ている。
「おはよう上時総長!」
わぁ、今日も元気だねぇ。
キャーラさん。
ユートさんと凜音さんは、1階だね。
高所恐怖症だもんね。
「総長は一緒に行く?」
「風呂入ってから行くから行かない。悪いな」
苦笑している。
………離れるんだ。
ここで。

「気ぃ付けてな」
頭を撫でられる。
………もう。
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