ゆず図書館。*短編集*
 

「ご褒美にプレゼントあげる」

「……プレゼント?」

「うん。あ、でも、俺以外はいらないんだっけ?」

「!そっ、そうですけど……でもっ、それとこれとは話が別です!それに……比呂さんからのプレゼントなんて、初めて、だし……っ」

「くくっ、明里は欲張りだな」

「!」


……それは相手が比呂さんだからです!

比呂さんがくれるものなら、何でも嬉しい。

その優しい笑顔だって、甘い行為だって、目に見えないものだって。

比呂さんが関わると、欲張りにだってなってしまう。


「……欲張りと言われても、欲しいんです」

「……何が欲しいの?」

「!…………わかってるくせに」


私の心の中なんて、手に取るように簡単に見えちゃうんでしょう?


「何でかな?今はわからないんだよな」

「っ、ズルい」

「……そう?でも……」


言葉を止めてしまった比呂さんは、私の手に指を絡ませてくる。

その動きは私の心も身体も疼かせるもので。

比呂さんの視線がある方向を向いた。

 
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