ゆず図書館。*短編集*
「ん……っ」
私がそこに口を近付けて噛み付くと、甘い声が佑から漏れた。
この声も、吐息も、そして切なそうな表情も堪らなくて、ぞくぞくしてしまう。
好き、という気持ちを込めて、口づける。
「は……、まだか?」
「ん、もう少し、欲しい……」
「ん……っ、」
身体の奥がどんどん熱くなっていく。
脳内に響く佑の甘い声、熱い吐息、……私の中に流れ込むもの。
もっと欲しいと舌を這わせ、貪るように吸い付き甘噛みすると、佑もそれに合わせて反応する。
「は……っ」
「……ん、おいし……」
「……っ、里桜(りお)」
「!」
佑の首にしがみつくようにしていた私の身体を、佑は引き剥がし、私の顔を覗き込んだ。
その表情は私の奥底を疼かせるには十分なくらいの色気があった。
「は、もういいだろ?これ以上は無理だ。それに……俺も、里桜が欲しくなった。」
「ひゃ……っ」