君のためなら






 男たちが帰った後、縁は屋敷にある電話で何処かへかけ始めた。


数回の呼び出し音聞き、プツリと相手が出る音がした。





《もっしもーーし!!この番号はユーでしょ!?どーしたんだい!?ユーから電話なんて珍しーい!!》

受話器から耳を遠ざけたくなるような大声で話す電話の相手に、縁の眉間がよる。



「…うるさいよ、飛鳥」


《だって~~!ユーからの電話ってとっても貴重なんだよー!!レアレアだよーー!!》



「…切ろうかな」

《っちょ、ストップストップー!!なんか用事あったんでしょ!?》


飛鳥と呼ばれた男は慌てて話を促した。


せっかくあのユーがかけてきたのに、という思いが彼の中にあったからだ。




< 4 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop