桜雨〜散りゆく想い〜
しかし、今はクラス替えのない科でよかったと思う。いちいち学年事にクラスが変わっていては、いつか学校側に伝わるのは間違いない。
幸いにもクラスの中で、僕と茜の関係を学校側にばらす事をする奴はいなかった。むしろ、僕達の俗に言う『禁断の愛』がどうなるか楽しんでいる。
それはそれで、見せ物にされているような気がしないでもないが、この際贅沢は言えない。
「先生、あんまり大きな声で言うと隣のクラスに聞こえますよ?」
僕の横の席に座る女の子が言う。慌てて茜は手を口にやり、茹でたタコみたいに顔を赤くした。