桜雨〜散りゆく想い〜
 送信をボタンを押して携帯をポケットに突っ込んだ。


 一分と間を置かず携帯のバイブレーションが鳴っていたが、僕は携帯を取り出さずにそのまま立っていた。


 意味は無い。


 でも無性に雨に打たれていたい気分だった。


 雨は降り続いていたが、妙に晴れた気分で心地よかった。


 20分ぐらいそうしていると背中の方で扉の開く音がして、聞き慣れた声が背中越しに聞こえた。


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