桜雨〜散りゆく想い〜
 「ありがとう……」


 確かめなければいけない――


 僕はメモを握り締めて歩く。


 行き先はきっと幸せとか、楽しいとゆう事とは掛け離れた場所。


 それでも僕は行かなかればならない。




 外は相変わらずの雨が降り続いていた。


 傘立てに沢山ささっている中から、真っ黒な傘を取り出して広げる。


 校舎から一歩足を踏み出すと同時に、無数の雨粒が傘に当たり耳障りな音を上げる。


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