桜雨〜散りゆく想い〜
 この広い世の中の中で、心から愛して結ばれ人達がどれだけいるのだろう?


 きっと一握りもいないその中に、きっと報われない想いが何倍もある。


 でも、その報われない想いもきっと一つの完成された形で、それを香は教えてくれた。


 「ノンちゃん言ったよね、『今年の桜が散っても、来年はまた来年の桜が咲くんだ』って……」


 僕は声に出さずに頷いた。


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