桜雨〜散りゆく想い〜
 「でも忘れないで……それは絶対じゃないの、いつ無くなるか解らないの、だから――」


 よろけて支えた香の体は驚く程軽かった。


 「後悔だけはしないで……」


 香は立つ事も出来ず僕に体を預けるように倒れ込む。


 「香ちゃん!」


 「私の夢ね……ノンちゃんのお嫁さんになって、子供を産む事――」


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