桜雨〜散りゆく想い〜
 僕は思わず音を立てて唾を飲み込んだ。


 「じゃあ自己紹介してね」


 女の子にしては高めの身長、吸い込まれそうな大きな瞳と


 長くて艶のある黒髪――


 「初めてまして、『柏木 桜』です――」


 『一つの可能性……』


 僕は香の言葉を思い出して苦笑した。


 (何を期待してるんだか……)


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