桜雨〜散りゆく想い〜
 「私、桜嫌いなんです」


 「あら、そうなんだ……じゃあ別の所から案内するよ」


 何と無くバツが悪く、僕は前に立って歩きだした。




 「桜嫌いなんて珍しいね」


 間違い無く失言なのだが、わかっていてあえて僕は柏木さんに尋ねた。


 「……」


 (まあ、そりゃそうか……)


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