桜雨〜散りゆく想い〜
後はどうなったのかよくわからない。
気が付いた時には、エアバックに顔を埋めるようにして眠る両親が目の前にいた。
隣に居た妹は窓に寄り掛かかったまま動かない。
何処かに打ち付けたのか、妹に触れようと上げた右腕に鈍い痛みが走り僕は顔をしかめる。
『遥――』
妹はピクリとも動かない。
『父さん――』
『母さん――』
『遥――』
結局誰一人僕の言葉に返事をする事はなかった。
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