桜雨〜散りゆく想い〜
 起きてしまった事を無い事になど出来るはずもなく、もう二度と戻る事の出来ない過去へ思いを馳せる日々が続いた。

 そんな状態で学校に行けるわけもなく、起きては涙を流し、寝ては過去の夢を見る。

 新学期が一週間も過ぎた頃から学校側も僕に登校するようにと、何人もの教師が日替わりに訪れた。


 『柏木、辛いのはわかるがこんな事を続けていても亡くなった親御さんも喜ばないぞ?』


 学年主任の教師は言った。


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