桜雨〜散りゆく想い〜
 まだ一学期しか過ごしていないとは言え、仮にも担任の教師だ。1番最初に来るべきである。


 どうせ他の教師と同じ、何の意味もない言葉を並べるだけ――


 インターホンを押す茜を、二階の窓から見下ろしながら心で呟いた。


 一階からインターホンの音が聞こえ、しばらくして茜の声がする。


 「柏木君、居るんでしょ?開けてくれないかな?」


 僕は返事をせずにベットに仰向けに転がった。


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