桜雨〜散りゆく想い〜
 「何ってご飯作ってるんだけど……」

 「そうじゃないだろ!勝手に人の家に上がり込んで、犯罪だろ!」

 「庭の方の窓の鍵開いてたから……部屋に行ったら柏木君寝てたし」


 僕は大股で茜に歩み寄ると、肩を掴んで引っ張りながら怒鳴った。


 「ふざけんな!こんな事していいと思ってんのかよ!出てい――っ!?」


 肩を引っ張る勢いで、茜の体が反転し顔を合わせた瞬間僕は言葉を失った。


 夏休み前より短い茜の髪は、よくみるとかなりいびつにカットされている。


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