桜雨〜散りゆく想い〜
 それが八ヶ月前の話し。


 今まで大きな喧嘩もする事無く共に過ごしてきた。一見すれば仲が良いように見えるだろう、実際に僕自身もそう思っていた――


 やっぱり僕は子供で、茜は大人だった……




 「御馳走でした」


 箸を箸箱にしまってから僕は顔の前で手を合わせながら言った。


 「さ、行こうか?」


 弁当にバンドをし直してから、隣の佐倉さんに声をかける。


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