桜雨〜散りゆく想い〜
 これからも茜と共に過ごして行くのだ……


 心の中で言う自分に僕は気付いていなかった。


 自分自身に言い聞かせている事に――


 そしてそれが茜との終わりの始まりだった。


 「今日も泊まるでしょ?」


 茜は僕の膝から降りると、フローリングの床に足を立てた。


 「ん、どうしようかな……」


 「泊まって行きなさいよ、今からご飯食べて帰ったら遅くなっちゃうし」


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