僕ヲ愛シテ
そう言って目を閉じようとするが、瞼の裏に焼き付いた光景を思い出して寝られない。



その内に変な汗をかいて、呼吸もおかしくなっていたようで。


「真咲くん、落ち着いて…俺がいるよ」


「優人さ…僕…ぼ、く…怖いよッ…だめだよ…先輩が…先輩が……もう一緒にいたくないのに…ッ!」

男のくせに女の子である優人さんにしがみついて泣いてしまった。


「俺がいるから…。大丈夫だから。ね、一回落ち着こう?」

頭を撫でて、言葉をかけ続けてくれる優人さんの腕の中が、とても温かくて、久しぶりに他人の温もりを感じた気がした。



「…もう…ヒック、だいじょぶ、です。ごめんなさい…ヒック…」


「いいよ。訊かない方がいいのかもしれないんだけど…何があったの?言えないなら言わなくてもいいけど…」



優人さんなら、話してもいいかな。

引かれたり、しないかな。

でもね、知らない人でも、誰かに言いたかったの。
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